アクアリウムの世界ではよく水質の安定のために牡蠣殻が使われていますよね。
今回は、なんで牡蠣殻が水槽に入れられているのか、そして使う時の注意点についてまとめたいと思います。
目次
牡蠣殻の効果
牡蠣殻の効果として見込めるのは、主に二つです。
①酸性に水が傾くと牡蠣殻が溶けだし、中性~弱アルカリ性に水を戻す。
⇒水が酸性に傾くことによって、牡蠣殻のカルシウム分が徐々に溶けだしphを上げる効果があります。
メダカは弱酸性でも生きれますが、中性~弱アルカリ性の方が適していると言われています。
そのため、酸性の時に溶けだす牡蠣殻は、じっくり効けば極端なアルカリ性に傾けることがないため、酸性になりやすい方はオススメです。
phを調べるにはこの測定器がオススメです。
多くのメダカブリーダーたちも使用している商品です。
また、メダカ飼育に赤玉土を使用している方も牡蠣殻はオススメです。
赤玉土は水を酸性に傾けやすい性質があるので、牡蠣殻との相性はバッチリです。
ただし、水草を一緒に育てている人は使用は注意してください。
弱酸性で育てる水草がある場合は、枯れる原因になりますので飼育環境をよく考えてから導入するようにしましょう。
②バクテリアの住処になる。
牡蠣殻は多孔質であるので、バクテリアの住処となります。
まあ、これはオマケ程度に考えるとよいでしょう。
俺はバクテリアに頼る飼育はしない派のためです笑
牡蠣殻使用の注意点
便利で使いやすい牡蠣殻ですが、使用には注意点があります。
特に導入時は注意です!!!!
phショックに注意!!
超大事です!
既にメダカは住んでいる状態で牡蠣殻をどぼ~んと大量に入れると、phが一気にアルカリ性に動く可能性があります。
メダカ自体はphはかなり融通の利く魚だとは思いますが、それはゆっくりphが変化をした場合です。
水が酸性に傾いているのを変えたいと思って、牡蠣殻をどーんと入れるとphが一気に上がりphショックを起こすかもしれません。
牡蠣殻を投入する際は、一気に入れるのではなく、メダカがphショックを起こさないようph測定器などでphをチェックしながら少しずつ投入するようにしましょう。
ph上昇はアンモニア濃度を上げる
これは以前、グリーンウォーターでの飼育でも書きました。
そちらで、アンモニア濃度とph、水温の関係について書いている部分がありますので、ぜひ読んで下さい。気合入れて書きました笑
phが0.5上がると、アンモニア濃度は約3倍濃くなります。phが1上がると約10倍濃くなります。
(アンモニウムイオンがアンモニアに変化していくため。)
そもそも水質が酸性に傾く原因に、糞やエサの食べ残しがバクテリアによって分解されていき、アンモニア⇒亜硝酸⇒硝酸塩へと変化していき、硝酸塩が最終的に残ります。
(詳しい説明はまた今度!)
また、エサに含まれるリンもリン酸塩となり、これらは水質を酸性に傾けます。
まあ、詳しいことは置いといて、要は糞や食べ残しで水が汚れていることが原因である可能性が高いです。
バクテリアに分解されていかない有機物(糞、エサなど)はアンモニウムイオン(アンモニア)として水中にある状態です。
そこで、牡蠣殻を使用してアルカリ性に水を傾けると、アンモニウムイオンはアンモニアに変化し、水槽内がアンモニアで汚染されることになり、メダカたちに危機が訪れることになります。
グリーンウォーター飼育には使っても効果が薄い
はい、これも前の記事を読んでください笑
グリーンウォーターにはphをアルカリ性に傾ける効果があります。
そのため、牡蠣殻を入れておいてもそもそも酸性に傾きにくい環境であるため、お仕事してくれないことでしょう(;^ω^)
よく洗う
これは、毒性が…とかそういう話ではないです。
紹介させていただいているスドーの牡蠣殻でもそうですが、牡蠣殻を砕いたものをネットに入れている商品です。
市販品は牡蠣殻が砕かれている場合が多いんです。
これが問題で、とく洗ってから使用しないと、貝殻のカスなどが水槽に散らばり白濁りの原因になってしまいます。
導入の際は、しっかり洗い(できれば7~8回くらい水を換えながら)、水槽を真っ白に染めないよう注意してください。
まとめ
牡蠣殻には酸性に傾いた水をアルカリ性に傾ける効果があります。
でも、これを入れておけばメダカたちは元気になれる魔法のアイテムではないことはご理解ください。
酸性の水はメダカには基本的には良くない水です。
酸性になる理由をしっかり突き止め、そこに対処する方が大切かもしれません。
本文にも書きましたが、水は汚れていないでしょうか?エサはやりすぎていないでしょうか?
酸性から中性、弱アルカリ性にphを戻す一番の方法は水換えです。
水換えこそ最強の水質管理です。(俺の持論です笑)
あくまで牡蠣殻はお守りとして使用するくらいがいいかもしれませんね。