グリーンウォーターのメリットについては、前回書いた通りです。
でももちろんメリットしかないものなんてないはず!!
今回は、グリーンウォーターについて本気出して考えてみた俺なりの考察について書いていきます。
これを書いている俺はゴリゴリの文系マンなので、調べたことを集めて考察をしています。
なので、必ずしも正しいとは言えないですが、一意見としてお読み下さい。
目次
グリーンウォーターはphをアルカリ性に傾ける
まずは、グリーンウォーターはphをアルカリ性に傾けるということ。
アルカリ性で育てると色が上がるとも言われていて(真偽不明ですが)、それ故アルカリ性に傾くグリーンウォーターが良しとされているのではないかと推察しています。
ただ、メダカに適したphは6.5~7.5くらいの弱酸性~弱アルカリ性と言われています。
酸性に傾くと、魚たちは鰓に異常をきたすことがあるため、酸性の水は危険とされています。
では、アルカリ性に傾く分にはいいのでは?と思いますよね?
でも、何事もやりすぎはダメです。
アルカリ性に傾く危険性について書いていきます。
phとは?
まず基本的な所から。
そもそもphとはなんでしょう。そんなの知ってるよって方は、とばしていただいて大丈夫です。
phは「水素イオン指数」のことで、溶液の液性(酸性、アルカリ性の程度)を表し、水素イオン濃度指数、水素指数とも呼ばれるんだって。
つまり、どれだけ水素イオンが溶け込んでいるかを表しています。
水素イオン濃度が高くなればphは下がり酸性に、水素イオン濃度が低くなればphは上がりアルカリ性になります。
化学の授業みたいで頭痛くなります笑
グリーンウォーターがphを上げる理由
さて、基本情報をいれたところで、本題です!
グリーンウォーターがなぜphを上げるか…。これは光合成と関係があります。
グリーンウォーターにいる植物プランクトンたちは植物であるので、光合成をしますよね。
光合成といえば、二酸化炭素を吸って酸素を出してくれるんだよね!
…そう思っていました(; ・`д・´)
もちろんそのような作用はあるのですが、それだけじゃなくて、水中の二酸化炭素が少なくなってくると植物プランクトンたちは重炭酸イオンを使って光合成をしだすそう!( ゚Д゚)
水温が高くなると、二酸化炭素が水中に溶けにくくなるので、特に夏場の高水温の時期は起きやすそうです。
重炭酸イオンはHCO3-が消費されると…そう水素イオンが消費されています。
水素イオンが消費されると、水中の水素イオン濃度は下がりますね。
つまり、アルカリ性へ傾くというわけです。
参考:新潟市HP
phと温度の上昇はアンモニアの毒性に影響を与える…
ph、温度、アンモニアの関係性についてはみなさんご存知でしょうか?
そもそもアンモニアは、水中では比較的無害なアンモニウムイオン(NH4̟⁺)と、超有害なアンモニア(NH3)の状態それぞれが存在しています。
しかし、アンモニウムイオンは水中では変化しやすく、温度やphで容易に有害なアンモニアへと変化してしまいます。
以下の表が、phと温度変化によってどれだけアンモニウムイオンがアンモニアへ変化してアンモニア濃度が上がるか表しています。
参考:アクアリウムwiki
これはU.S.EPAによって発表されている水温とphを用いて水中のアンモニア濃度を求める一覧表です。
まあ数字は覚えてもらう必要は全くありません。
phがアルカリ性へ1上がるとアンモニア濃度は10倍、水温が5℃上がると1.5倍、10℃上がると2倍と上がっていきます。
先に述べたように、水温が上がると溶存二酸化炭素量の減少から光合成によってphがアルカリ性に傾きやすいんでしたよね。
さらに、この表を見ると水温上昇、ph上昇により毒性の高いアンモニア濃度の割合が高くなってしまうことが分かります。
つまり、水温上昇時にphが上がりやすいグリーンウォーターでの飼育時は、アンモニア濃度が濃くなる危険性が高くなると俺は考えました。
溶存酸素量とアンモニア毒素の関係性
phと温度変化によるアンモニア毒性の変化についてまとめました。
さらに、アンモニアの毒性を強める要因として、溶存酸素量によってもアンモニア毒性に変化があると知りました。
研究では、ニジマスで行われていますが、同様の魚類ということでメダカにも当てはまると考えられます。
参考:初心者のための水質調査 (1) 飼育環境とアンモニア PDF
この研究では、溶存酸素量が低くなればなるほど、アンモニアが魚に与える影響が大きいことが示されています。
溶存酸素量は、メダカたちの呼吸のために必要なだけでなく、アンモニアの影響を低くしてあげるためにも大切なものと考えられますね。
植物プランクトンも呼吸をする
これはみなさんご存知だとは思いますが、植物プランクトンたちも呼吸をします。
それは、夜間に光合成ができない時間帯にするだけでなく、グリーンウォーターが濃い状態だと日中でも水中の底まで日が届かないことにより、呼吸をし出すプランクトンたちも現れます。
こうしてプランクトンたちが増殖をして呼吸をし出すと、溶存酸素量が低下しアンモニア毒性を上げる原因になる可能性があります。
特に夏場の水温上昇時には、植物プランクトンは増えやすくなりますし、溶存酸素量の限界量は低くなりますので、酸素不足にならないように注意しましょう。
また、呼吸をするのはプランクトンたち以外にもバクテリアたちもします。
アンモニアを亜硝酸、亜硝酸を硝酸塩に変える菌たちは好気性のため、酸素を使って有害物質を変換してくれています。
彼らの仕事にも酸素が使われるので、なるべく有害物質を水槽内に存在しないようにすることが、酸素不足を防ぐことにもなるでしょう。
植物プランクトンの死骸の分解に酸素が使われる
プランクトンも生き物であるために、それらの死骸を分解する際には酸素を使用してバクテリアは分解していきます。
ちょこちょこプランクトンが死んでいく分には、大きく水中環境の変化に影響を与えることは少ないかもしれません。
しかし、植物プランクトンが一気に死んでしまう時が問題です。
死骸は底にたまり、その周辺では分解のために酸素をたくさん使用されます。
すると、貧酸素水域ができてしまう可能性があります。
また、溶存酸素をの減少はアンモニアの毒性アップにもつながりますので、プランクトンが一気に減少し、水がクリアになってしまった場合は水換えをしないと危険かもしれません。
水温上昇効果がある
これは特に夏場に注意でしょうか。
ピーシーズさんで紹介されていますが、夏場の水温が10℃近く高くなっていたとあります。
参考:メダカ 水質悪化に注意
ピーシーズさんでは、不純物があるから水温が上がりやすいんだと言われていました。
ただ、グリーンウォーターはなぜ水温を上昇させるのか明確な根拠が探せませんでした。
誰か頭の良い方教えてください!笑
でもグリーンウォーターが水温上昇、もしくは保温効果が明確にあるとすれば冬場の活用にはいいかもしれないなと思い、見直すきっかけになりそうです。
ただし、やはり温度上昇はアンモニアの毒性アップにもつながります。
夏に10℃水温が上がれば、アンモニア濃度は2倍になります。
そういった点は注意ポイントです。
メダカが良く見えない…
個人的にとてもデメリットです。
それはかわいいメダカが見えにくくなってしまい、愛でることができないんです(/ω\)
まあ、それもあるんですが屋外飼育の場合ほとんどメダカは上見ですよね。
上見って意外とメダカたちの変化に気付きにくいんですよね。
そして気付いたときには既に手遅れで★に…。
毎日観察して異常がないか確認をしたい俺にとっては、グリーンウォーターのせいで観察しにくいのはとてもデメリットなのです。
まとめ
グリーンウォーターにはメリットもありますが、デメリットもあります。
今回の総まとめとしては
◆グリーンウォーターはph、水温を上昇させる
→ph、水温上昇はアンモニア濃度を上げるため、危険性が増す
◆食物プランクトンの呼吸により、溶存酸素量が減少する可能性がある
→溶存酸素量が低くなると、メダカが酸欠に、アンモニア毒性もアップするため、魚への負担が大きくなる
◆メダカが良く見えない
→病気、体調不良に気付きにくくなる
以上、これらがデメリットとしてありそうです。
そしてグリーンウォーターは夏場に増殖しやすいです。しかも酸素は水中に溶けにくくなります。
これらのことを含めて考えると、夏場のグリーンウォーターの管理は非常に慎重にしてあげる必要がありそうです。
個人的見解としては、夏場はグリーンウォーターだと水質のバランスが崩れやすくなるため、こまめに魚の観察ができ、緊急対応ができる人は使っていてもいいのかなと思います。
逆に言うと、それができない人はふとした瞬間に水質悪化し、メダカたちを危険にさらす可能性がある水であるともいえます。
まあ、グリーンウォーターってのは、水中が富栄養化していくと起きるわけですから、それだけプランクトンの餌となる有害物質が溜まっているということになります。
自然界での富栄養化は度々問題視されるわけですから、もっと小さな世界の水槽環境で富栄養化している状態も問題視すべきとも思っています。
ただし、クリアウォーターがいいか、グリーンウォーターがいいかは結局は個人の考え方次第で、一概にグリーンウォーターの使用を否定をするつもりもありません。
俺もグリーンウォーターの一定の効果は理解しています。
しかし、俺の飼育哲学は「水換えこそ最強の水質管理」です。
だからグリーンウォーターに頼ることは基本的にはしません。
でも、今回色々調べて思ったのは、冬場は多少のグリーンウォーターにしてもいいのかなとも思いました。
最適解はどこにもありません!みなさんもご自身で色々調べたうえで、自分なりの飼育方法を探し続けてください。
次回は、グリーンウォーターにしない理由についても書いていこうかなと思います。