チョウザメ

チョウザメってどんな生き物??

チョウザメがサメとは別の種類の生き物であることは以前紹介いたしました。

チョウザメはサメじゃない? チョウザメの説明をしていると「チョウザメはサメじゃないの?」と毎度言われます。確かに名前には「サメ」と入っていますが、全く別の生き物...
しかし、ではチョウザメがどこに棲んでいて、何を食べていて、そしてどれだけ生きるのか…などなど、チョウザメについて詳しく説明できる人はほとんどいないでしょう。

チョウザメの色々を知っていただき、知り合いに鼻高々にチョウザメの知識をひけらかしてください!笑





チョウザメの種類はどれくらいいるの?

チョウザメの種類は世界で25種類程と言われています。
「言われています」という表現をするのは、交雑により種類の違いが不明瞭なものがいるからです。
なのでだいたい25種類です笑

チョウザメっていつから存在しているの?

チョウザメってやつは実は約2億5千年前から存在していると言われているのです!(諸説あり。1億とも3億とも言われることもある。)
2億2000万年前くらいに最初の恐竜が現れたそうで、恐竜からみりゃ先輩です。笑
そんな昔から姿かたちはほとんど変えずに現在に至る訳です。
まあ生きた化石ってやつなんでしょうか。これは本当にすごいことです!

めっちゃ熱い時も極寒な時もあっただろうに…恐竜でさえ絶滅した時代も乗り越えて現在生きているのです。
しかも人間という生き物に目をつけられ乱獲されても、なんとか生き残っています。
チョウザメってほんとにすごい生き物なんですよ!

寿命はどれくらい?

自然界におけるチョウザメの寿命は80年~100年くらいと言われています。(150年生きたといわれるチョウザメが発見されたという記録もあります。)
これは下手すると俺よりも長生きの可能性がありますね笑

こんな長生きだからいつものんびり泳いでいるんですかね?寿命が2~3年のアマゴがせわしなく泳いでいるのとは対照的ですね。
同じくらいの寿命の人間ももっとのんびり暮らすほうがいいでしょうか?笑

海水魚?淡水魚?

チョウザメは種類によって海水に主に棲んでいるもの、淡水に棲んでいるものがいます。
つまりどっちもいるんです。( ゚Д゚)
海水に棲んでいるやつも産卵期になると川に帰ってきて卵を産みます。(これを遡河性といいます。)
まあサケが川に帰ってくるのと同じもんです。

どれくらいまで大きくなるの?

こんだけ長生きするチョウザメ。100年生きるうちにどれだけ大きくなっちゃうのでしょうか?

画像はカナダのブリティッシュコロンビア州のフレーザー川で捕獲されたシロチョウザメ。(Mail Online)

体長3mで重さは約222kg。
しかし、これでも記録ではまだまだだ。

記録に残っている中で最大のチョウザメは8.6mで2t以上というチョウザメがいる。
なんか想像もつかない大きさだが、画像の個体の2倍以上のサイズである。

つまり、チョウザメは淡水魚最大の生物なのだ!!
淡水魚のデカイ部門で競うのはメコンオオナマズ(2m~3m)、ピラルク(2m~3mまれに4m~5m)であるが、
話になりませんね(`・ω・´)
…って言いたいんですがさっきも言った通り、チョウザメって海水魚でもあるんですよね。
しかも一番大きくなるオオチョウザメが海水でも生きているため、チョウザメが淡水魚最大!!はグレーゾーンだそうです。(´;ω;`)

オオチョウザメなんかは生きている限り大きくなり続ける…なんて言われている夢のような生物です。
しかし、現在はそこまで長生きするまでに人間に捕られてしまうのでそのサイズになることはまずないのが悲しいものです。
そんな化け物サイズのチョウザメを一度は自分の目で見てみたいものです。

生息地はどのあたり?

北半球のみに生息しているようです。しかもその中の割と寒い辺り。
生息地として一番有名なのはカスピ海でしょう!
カスピ海に面しているロシアやイランなんかがキャビアの生産地として有名です。

ちなみに北海道にも明治時代頃までチョウザメが河で見られたようです。ミカドチョウザメ、ダウリアチョウザメという種類が石狩川、天塩川にいたようです。
今でもロシア側から来たチョウザメが海で目撃されることもあるようですよ。

何を食べているの?

餌となるのは、昆虫や甲殻類、プランクトンなど。大きい個体になると魚すら食べてしまいます!( ゚Д゚)
チョウザメは底を泳いでいる魚なので、底にいる生き物をパクパクしていきます。

何でも食べちゃうチョウザメ…。ただ、目が悪い!!そのため髭がセンサーになっています。
何かないかな~とのんびり泳いでいるうちに、髭に何か当たると口をパクっと伸ばし、丸飲み!
歯がないので口に入るものを丸飲みしてしまうんですねぇ…。

ただ髭で感知したものをみんな食べるかというとそうでもありません。
養殖していて思うのは、チョウザメって結構グルメです。
おそらく、匂いでも食べられるか判断してそうです。
新しい餌は喜んで食べますが、水に沈んで少し時間が経った餌は絶対に食べなくなります。
あんまり美味そうじゃないなぁと嫌厭してきます。このわがままさんめ!(# ゚Д゚)

チョウザメがいなくなる…

とっても美味しいキャビアが取れるチョウザメ。
人間に目をつけられ、乱獲されほとんどいなくなってしまいました。
なんせチョウザメが卵を持つようになるまで5年~15年程かかります。(種類によります。)
満足に子孫を残す前に人間に捕まってしまうのです。(おとなしい魚なので捕まえるのが簡単なんですよ。)

そんなチョウザメは今やワシントン条約で保護されています。
チョウザメの全種はワシントン条約附属書Ⅰ又はⅡに分類されています。

※附属書Ⅰ
既に絶滅の危機に瀕している種。商業目的の輸出入は禁止。研究目的であれば、両国の了承を持って輸出入可能。
チョウザメ対象種:ウミチョウザメ、バルチックチョウザメ(ニシチョウザメ)

※附属書Ⅱ
国同士の取引を制限しないと、将来絶滅の危険性がある種。輸出入は両国の了承があれば可能。
チョウザメ対象種:上記附属書Ⅰ以外のチョウザメ、ヘラチョウザメ種全て

このため、チョウザメは現在かたく保護されている状態です。
キャビアの一大生産地のカスピ海での漁も禁漁状態。
近々カスピ海産のキャビアは食べられなくなることと思います。

チョウザメのトリビア

イングランド王のエドワード2世(1284~1327年)は、チョウザメを王室のものとする法律を制定している。
そしてこの法律は未だ無効となっていません。
つまり、イングランド領…今はイギリス領でチョウザメを勝手に取ったら捕まってしまいます。( ゚Д゚)

まあそんな法律を作ってしまう程、チョウザメという生き物を皆が欲しがっていたということの象徴でもあるでしょうか。

まとめ

生態という面からチョウザメってすごいんだぞ!って語ったつもりですがいかがでしょうか?
こんだけ語ると、自分の手元でチョウザメの養殖をしていることがいかにすごいことなのか実感します。
そしてキャビアがどれだけ貴重なものかということも身に沁みます。

この記事が、みなさんが鼻高々に知識を振る舞う一助になればいいなと思います。笑