室内飼育についても書き進めていきます。
今回は、ライトの必要性についてです。これは産卵をさせるさせないに関わらず必要であると思います。
これまた調べていくと色々情報がたくさんに…。
俺なりにまとめてみますので、ご参考に!
目次
魚類と光の関係
まず基本情報として、メダカに限らずほとんどの魚は水温と日照時間で季節を感じています。
魚種によって産卵時期が変わってくるわけです。
もちろん、産卵が必要でなくてもライトが必要で、それは季節に合わせて体の調子を変化させているからです。
我々人間も1日中真っ暗な所で生活しているとおかしくなりますよね?
実際、メダカは冬場はオプシンという色を判別する物質やその下流の情報伝達経路の遺伝子が大きく減少することが分かっています。
参考:メダカの色覚が季節によってダイナミックに変化することを発見
こういう働きによってメダカは冬に余計な栄養を使わないよう体を調節し冬越しを頑張っています。
これ以外のこともメダカは色々と体の機能を調整しながら生きているはずです。
だから季節を感じる要素の一つである日照時間(ライトの照射時間)は非常に重要と考えるわけです。
真っ暗もつけっぱなしもメダカの体調を崩す原因になりえるのです。
カラシン系を使用しての実験にはなりますが、真っ暗な水槽で飼育をした結果、様々な異常が見られています。
真っ暗な状態での飼育で、精子・卵子形成の停止、皮下脂肪の蓄積とカルシウム不足により体高が高くなり成長速度が落ちる、さらには甲状腺、副腎皮質、脳下垂体の異常も見られています。
どれだけ光が魚類に重要な要素か分かるでしょうか?
上記の研究は非常に面白い内容でしたが、大長編のためお魚大好きな人は読んでみてもいいいかもしれません!
要するに!ライト照射時間を管理してあげることは、飼育の上で非常に重要であるということです!
メダカの産卵とライトの関係性
メダカの産卵行動、成熟に関しての記述もありましたので紹介します。
これも先ほど紹介した論文の中からです。
その中で照射時間と産卵についての研究がありました。
日照時間が長い(13時間)から徐々に短くする方法と、短い(11時間半)から徐々に長くする方法で実験されました。
結果からいうと、日照時間を短くしていく実験は11時間半以下になった時に産卵が中止し、日照時間を長くしていく実験は12時間50分のところで産卵がスタートしました。
ここから言えることは、メダカの産卵に必要な日照時間(ライト照射時間)は13時間以上が望ましいことです。
ただし、同様に日照時間をキープしていたとしても季節によって成熟(産卵)が17~42日とかなり差が見られていることも記述があります。
特に9~10月は多くの日数を要したということで、メダカが光に対して反応しにくい季節が存在することが分かっています。
人間が全て管理して産卵を促すことにも限界があるということですね!
室内飼育でうまく産卵できないということもこういったことに原因があるかもしれないと思いました。
孵化日数、孵化率とその後の成長への影響
高校生が実験をした面白い研究がありましたので紹介します。
詳細なデータや、ところ所言葉が省略されていてどこを指しているのか明確でない部分があるので、もっと詳しく知りたく残念な部分もありますが、それにしても面白い実験です!
ほんとすごい!!
実験の概要は以下の通りです。
①日照時間と孵化日数、孵化率、その後の成長率、死亡率の関係
②ライトの色と孵化日数、孵化率、その後の成長率、死亡率の関係
①日照時間と孵化日数、孵化率、その後の成長率、死亡率の関係
サケは省いて簡潔にまとめます。
実験は3パターンで、真っ暗な状態、12時間照射12時間真っ暗、ライト点灯し続ける。
昼夜があるものが最強で、孵化日数は短いし、孵化率も高い、成長率も一番であるということが示されていました。
死亡率は、「メダカは2週間後の比較で3%と最も低かった」と記述があるが、どの条件に対しての言及なのか分からなかった。
まあ、おそらく昼夜がしっかりつくられているパターンだとは思うけれど(。-`ω-)
ここでいえるのは卵の状態でも、孵化後すぐの稚魚も自然環境と同様の日照時間があると健康に育つということでしょう。
裏を返せば、真っ暗やライトのつけっぱなしではメダカを健康に育てられないということでもある。
②ライトの色と孵化率、大きさ、その後の成長率、死亡率の関係
この実験が非常に面白く、ずっと気になっていたことである。
メダカには何色のライトがいいのか…。そしてこれを考えるにあたり沼に入って、この記事を書くのが遅くなった理由でもある笑
実験は、LEDの赤、青、白、緑の単色ライトと、日光を卵に照射、真っ暗な状態で孵化率、孵化後の稚魚の大きさ、成長率、死亡率を比較する内容。
結果をまとめると
①孵化率…日光が最高、白色が最低
②大きさ…赤色が最大、青色が最小
③成長率…赤が最高、白が最低
④死亡率…日光が最低、青色が最高
この結果から言えることは、白や青はメダカの孵化、成長に悪影響を与え、赤は好影響を与えることだ。
植物も光の波長により光合成ができたりできなかったりするが、メダカも同様に波長の長さは成長に重大な影響を与える可能性を感じた。
しかし、問題なのがアクアリウム用として販売されているライトの多くは白や青色がほとんどで、赤が含まれるのはちと高価である場合が多い…。
この実験により、メダカの室内飼育が難しいと言われる所以が波長にあるのではないかと推察しました。
まとめ
光とメダカの関係についてまとめてきました。
あとで波長に関する考察記事も書きました。
こういう可能性もあるよねって軽い気持ちで読んでみてください。
室内での飼育でもライトの必要性がお分かりいただけたでしょうか?
我々人間も窓がなく明りの入らない暗い部屋で生活したくないですよね?
寝る時は電気を消して暗くしたいですよね?
だからメダカたちにもそうしてあげてください。
手動での管理はなかなか難しいので、タイマーの使用をオススメします。
簡単にセットするだけで自動でライトのオンオフをしてくれます。