赤と黒の体色のメダカはカッコよくて人気の高い色味のメダカです。
しかし、品種の違いが分からない…
ということで今回は、赤と黒のメダカの品種の違いについて解説をしていきます。
なお、今回の品種の知識に関してはメダカ品種図鑑Ⅲを参考に書いています。
目次
紅薊
紅薊(べにあざみ)は神原さんが作出のメダカです。
紅薊の作出の経緯としては、瀬尾さんという方が作っていたメダカから特徴のある個体を累代、固定していったメダカとなります。
つまり、紅薊の作出するにあたって、瀬尾さんという方が作られたメダカが重要なポイントとなります。
そこで紅薊の元となったメダカ作出の経緯を辿ると…
ピュアブラック、クリアブラウン、紅帝などが使われていたようだが、それだけでなく色々な品種が混ぜられているようで、詳細は不明です。
この系統のメダカから、現在の紅薊の特徴に固めていって名前をつけたのが神原さんということになります。
ちなみに、この紅薊の元となったメダカの系統は「金龍さつき園」で「星の煌」という名前で出されていました。
ここの知識が後の来光の説明で必要になるので、覚えておいてください。
紅薊の体型は基本は普通体型となっています。
ただし、メダカの館さんから出ている本ではヒカリ体型であると紹介されています。
そのあたりがメダカの品種の説明の難しさに繋がるのですが、それはまた別の話…ということで!
とりあえず、紅薊は色々な品種のメダカが混ぜられている親メダカから、現在の姿のメダカに固定をしていったものということになります。
来光
続いて紹介するのは来光です。
来光の作出者は「日本改良めだか研究所」の深川さんです。
紅薊の項で紹介した「金龍さつき園」の「星の煌」というメダカを元に、このメダカの姿に固定していったメダカです。
紅薊も星の煌と同じ系統のメダカから作出されたメダカであるので、来光と紅薊は作出された場所が違うが、同じ系統からできているメダカなのだと思います。
なので、紅薊と来光が似ているというのもよく分かります。
紅薊と来光は作出された方は違うけれど、同じ系統のメダカと言えるのだと思います。
五式(TypeR)
続いては五色TypeRです。
五式は「しいらメダカ」さんの作出のメダカです。
栗神という透明鱗三色のメダカと黒蜂という黒い体色にヒレに赤色(オレンジ)が乗るメダカの掛け合わせで生まれているメダカです。
五式は、色々なタイプがあり、基本は黒体色にヒレに赤くのるタイプだと思います。(TypeB blackの意味)
しかし、中には赤が多めのタイプのものも生まれてきて、それを五色TypeR(redの意味)と呼んでいます。
TypeRの体色は紅薊などと同じような色味となります。
作出の経緯が違う点もありますが、紅薊や来光などと大きく違う点は、背地反応があるかどうかです。
紅薊などは背地反応があるため、白い容器や透明容器に入れると色味が薄くなってきてしまいますが、五式は背地反応がない(弱い)ため、色落ちがせず楽しめます。
乙姫
続いては乙姫です。
乙姫の作出者は、「栗原養魚場」の栗原さんです。
乙姫は、クリアブラウンと紅(くれない)の掛け合わせでできているメダカです。
紅は最近はあまり見なくなってしまいましたが、楊貴妃透明鱗のヒカリ体型のメダカです。
作出の際に、クリアブラウンもヒカリ体型だったようで、子どももヒカリ体型になったので、ヒカリ体型でリリースされています。
ちなみに乙姫を繁殖させていると、白く色が抜けたタイプも生まれてきて、それを「星田めだか」さんが固定化していったメダカが「白姫」です。
別の種を掛けて生まれたメダカではないというのがポイントのメダカですね!
こちらも乙姫の兄弟として覚えておいてもいいかもしれません。
女雛
最後に紹介するのが女雛です。
女雛は今回紹介したメダカ達とは、実は結構違うメダカになります。
見た目は、同じように黒と赤(オレンジ)で構成されているんですけどね~。
女雛は垂水さんの作出のメダカです。
掛け合わせとしては、オーロラ幹之×黄桜(黄幹之)です。
人気品種の「夜桜」と兄弟魚にあたるメダカですね。
夜桜も掛け合わせとしては同じですが、目指した方向性が違います。
女雛は独特の柿色を伸ばす方向性で、夜桜はラメを伸ばす方向で作られていきます。
女雛の基本はラメが入らないタイプとなります。
夜桜は、本来は黒系の体色にピンクに透ける頭、そして綺麗なラメが入るメダカとしてリリースされています。
しかし、現在はどちらかというと、柿色も混じったタイプの夜桜の方が流通量は多いように感じます。
さて、女雛と他の赤と黒のメダカは大きな違いがあります。
女雛は半透明鱗(オーロラの形質)ですが、それ以外は透明鱗のメダカとなります。
透明鱗というのは、虹色素胞の欠如により体が透けてみえるような形質をいいます。
分かりやすいところで言うと、ほっぺ(エラ)の部分が透けてピンク色になっています。
虹色素胞はメダカのラメや体外光を作る要素でもあるため、透明鱗系のメダカでラメは基本的に出ません。
しかし、半透明鱗(透明鱗と普通鱗の中間)くらいだと、ラメや体外光が出せます。
つまり、女雛だけはラメ系のメダカが存在するタイプとなります。
女雛の基本としてはラメの乗らないメダカとしてリリースされていますが、ラメが乗るタイプもメダカ愛好家によって作られていっています。
これらはお好みで選んでいいのかなと思います。
まとめ
赤と黒のメダカ達の違いが分かったでしょうか?
見た目が似ていても、実は細かい所で違いがあったりしますね。
ただし、それらをメダカだけを見て判別するのは困難な部分があるので、ぜひ書籍で色々調べてみてはいかがでしょうか?
とても参考になる1冊なので、皆様持っておいて損のない本だと思いますよ!