アクアリウムの天敵とも言える苔…。
綺麗にしても綺麗にしても生えてきてもううんざり!
そんな方にオススメなのが、ヒメタニシです。
ヒメタニシは、苔取り効果や水質浄化にも役立つ最強の同居人です。
今回はそんなヒメタニシについて書いていこうと思います。
目次
生態や特徴
ヒメタニシは北海道から九州まで幅広く生息しており、水田や池沼、用水路など様々な所で生息しています。
特徴としては、水質汚染にも強く飼いやすいため、アクアリウム界で注目の存在というわけです。
ヒメタニシの食性は3つあり、石などの表面についている藻類をこそげ取って食べる刈り取り食、水底に沈んだ有機物(水槽内では餌の食べ残し、死骸、水草などが腐敗したものなど)を食べるデトリタス食、そして水中の植物プランクトンを摂取する濾過摂食です。
特に濾過摂食は普通は2枚貝の食性であり、淡水だとしじみやドブガイなどくらいでしょう。
そいつらは飼育難度が高く、管理が大変。しかも餌は植物プランクトンだけなので、すぐに餌がなくなる可能性も…。
それに比べてヒメタニシは、いろんな物を食べてくれるのであまり餌に困ることがないでしょう。
そんな濾過摂食の性質から、水質汚染の指標にもされています。
水が富栄養化すると植物プランクトンが増加し、それを餌にするヒメタニシが増加するという流れです。
メダカやメダカの卵は食べるのか?
これについては、色々とネット上で書かれていますが、俺は食べないと思っています。
メダカ自体は泳ぎ回っていて鈍足なヒメタニシがメダカを捕まえることは不可能です。
強いて言うなら、極限まで弱った死にかけのメダカや死んでしまったメダカは食べるかもしれません。
また、メダカの卵を食べるか?についてですが、あえて好んで食べることはないだろうし、卵の所までヒメタニシが辿り着けないということから、被害はほとんどないだろうと思います。
これは実際に共存させてみて思った感想で、NV13とか小さな水槽で飼っていた時もメダカの卵がついている産卵床にヒメタニシがいることはなかったという経験からそう思います。
基本的には、苔や藻、餌の食べ残しなど水槽内に餌となるものはたくさんあります。
なので、あえて難度の高いメダカや卵を取る必要性がヒメタニシたちにはないんじゃないでしょうか?
また、逆パターンでメダカがタニシを食べるのかについては、ヒメタニシの身を刻んでメダカにあげれば食べるかもしれないけれど、生きているヒメタニシをメダカが食べることはないと思います。
ヒメタニシが食べられちゃってるよ!って現場に遭遇したことはありません。
ヒメタニシの繁殖方法
ヒメタニシは雌雄異体であり、卵胎生です。
つまり、メスが直接稚貝を産み落としていきます。
自分の飼育環境下では、10数匹くらいしか稚貝は産んでくれませんでした。
ヒメタニシの繁殖能力はそれほど高くなく、急激に増加することはありえないでしょう!
むしろ、ちゃんとヒメタニシを飼っている人は、もっと増やしたいのにって思うくらいです。
まあ急激に増えることがないから管理がしやすいのはメリットともとれます。
ヒメタニシをメインで飼う人は少ないでしょうから、繁殖能力が高い必要性はないでしょうかね。
ヒメタニシの雌雄は触覚部分を見て判別します。
上の画像は両方の触覚がまっすぐなためメスです。
一方、雄は触覚の片方がカールしています。よく見ればわかるので、そんなに判別は難しくないでしょう。
タニシが増えすぎる…という人へ
タニシが増えすぎて困っている…という方は、もしかしたらそれはタニシではないかもしれません。
また、タニシが卵を産んだという人も、それはタニシではありません。
タニシは特徴の所でも書きましたが、卵胎生であり卵を産むことはありません。
ちなみに、よく稲を食い荒らして問題になっているジャンボタニシもタニシではなく、リンゴガイ科に分類されタニシとは別の貝であるので卵を産みます。
水槽によく紛れ込むのは、サカマキガイやモノアラガイです。
これらは水草と一緒に水槽に紛れ込むことが多いです。
こいつらは卵を産み、卵は透明なゼリー状のものです。
透明なので見つけにくいのが難点であり、しかも大量に生まれてきます。
おそらく水槽で爆殖するのはこいつらであり、タニシではありません。
まあ、こいつらも貝なので藻や苔を食べてはくれますが、水槽の景観が悪化するのでオススメはできません。
こういった商品を活用すれば、楽に貝の掃除ができます。
それでも駆除が難しい場合は、水槽のリセットをするのがいいでしょう。
水換えの指標になる
ヒメタニシは水質悪化してくると、水面に集まる習性があります。
それはつまり、水換えが必要なサインということです。
ヒメタニシも水質悪化には強い方ですが、水換えが足りていないと当然死んでしまいます。
水底でひっくり返って、蓋をしていたら死んでしまっているかもしれません。
水換えのタイミングが分からないという方は、ヒメタニシを一緒に飼ってあげることによって、水換えのタイミングをはかることができます。
ただ、水面に集める状態は危険域に入っているサインですので、理想はそうなってしまう前に水換えをしてあげましょう。
まとめ
植物プランクトンを除去してくれて、透明な水を維持するのに役に立つヒメタニシ。
メダカはビオトープで飼うのも魅力の一つであり、そこの同居人にぴったりな貝と言えます。
綺麗なメダカをじっくり観察するために、水を浄化してくれるヒメタニシを導入してみてはいかがでしょうか?